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【 デクスター (クィーンズランド州 ケアンズ) 】

有名じゃないが腕は抜群の若手フィッシングガイド デクスター 写真の彼がじっと見つめる先には客が釣り上げようとしている大きなバラマンディがいる。彼は若干21歳ながらもベイトフィッシングのガイドとして十分すぎるほどの腕前を持つ。

若さ故のアピールなのかボートを走らせている間ロッドを立てる台の上に腰掛け足でエンジンのハンドルを操作しベイトフィッシュの群れや水の流れの変化を探す彼を見ていると、じっとその先を見つめる鋭い視線を見逃す事は出来ない。

彼がボートに乗せる客のほとんどはホリデー中にオーストラリアのどこからかやってきたオージーやアメリカ人、ヨーロピアンが多い為、大物を求める声も多い。しかし彼が選ぶポイントはインレットの中でもごく当たり前の場所が多い。

しかしだ。へんてつもないポイントで彼は今年始まって間もない間にバラマンディ、フィンガーマークなどの大物をたくさん釣り上げている。120cmを越えるバラマンディを今年早々にあげたのも彼である。

彼のスタイルはとにかく大物を釣り上げることがすべてである。ポイント選びを見ると一見メジャーなポイントに入ってはいるが彼の嗅覚が今この瞬間そこに大物がいると思うからそこに来る。ただそれだけだ。ポイントが良く知られている所か秘密の場所なのか、そんなものは関係はない。

餌もいいサイズの生餌を求めて投網を投げ続ける。彼の投網を投げる姿は独特で、背中まで網を垂らし、上から振りかぶりまるで水面に網をたたきつける様に投げる。操船をしながら投網を投げる為に、狭いスペースであれほど上手に投げる人には他に出会った事がない。

しかも彼が投網を投げて捕まえた魚やエビをフィッシュタンクに入れる様はとてもきびきびてきぱきとしてまるで几帳面で効率的な仕事の仕方をする日本人の働く男のイメージである。良い言い方をすればのんびり、はっきり言えばレイジー(怠け者)のイメージがあるオージーだが、彼の仕事に対する姿勢は気持ちが良い。

日本人のお客についてどう思う?と聞いた事があったのだが、彼は今までたくさんの日本人のお客も相手にしていてとても楽しい人達が多かったと教えてくれた。

「でもほとんどの日本人は魚を数釣る事の方がおもしろいみたいだね?」

と私に問いかけるので、短い休暇で海外で釣りをした雰囲気を味わえるには、見たこともない魚や味わった事のない引きをたくさん楽しむ方が彼等にとっていいのじゃないのかな、と答えた。

でも私は違う。初めての頃はブリムやグランターなどでびっくりしてたが、今では大きなバラマンディしか体が許さなくなっている。彼にその様なことを伝えると、笑いながら、僕も大物を狙うことは大好きなんだと答えてくれた。

とにかくでかいやつが狙いたいアングラーは彼と会ってその意思を伝えて見る方がいい。釣れるか釣れないかは潮や天候、生餌次第だが、彼のその熱い情熱に触れたなら、必ずケアンズをまた訪れる気持ちになるかも知れない。

2004.03.10 Moon