【 オーストラリアの危険な生き物達 〜 スネーク(ヘビ) 】 |
■ オーストラリアにいる毒蛇
オーストラリアには384種類ほどのヘビが生息している。その内の25種類ほどのヘビが毒蛇と言われている。この数字は陸地のヘビのもので、海にいるヘビの種類は32種類ほどでその内22種類の海蛇が毒を持っている。
今回は陸地に住むヘビについて紹介しよう。
オーストラリアの毒蛇について言える事は半端じゃないというのが第一印象だ。世界で一番強い毒を持つタイパンを筆頭に世界中の毒蛇の中でもトップクラスがたくさんオーストラリアには生息している。
タイパン(Taipans)。世界の中で一番危険な毒蛇である。毒性はかなり強い。ケアンズにこのヘビの名前をつけたバスケットボールチームがあるが、そのケアンズにも生息している。生息域は、ニューサウスウェールズ州北部からケアンズ、ブリスベン、ゴールドコーストなどのクィーンズランド州、ダーウィンがあるノーザンテリトリー州、ウエスタンオーストラリア州の北部などに生息する。特にシュガーケイン(サトウキビ)畑がある場所を住処としている様だ。エサは主にシュガーケインの中に住むネズミだそうだ。2mほどまで成長するらしい。
このタイパンは毒性が高く危険なヘビだが実際に人間が出会う事はそれほど多くないとも言われている。なぜかというと彼等はシュガーケインやブッシュなどの中で生活をしている為、人間がよく訪れる様な場所にはいないということだ。
ブラウンスネーク(Brown Snakes)。大きいものから小さいものまで種類がいるそうだ。ブラウンスネークの種類はオーストラリア全土に生息している。排水溝などのネズミを捕食しているものなど、草むらなどこの種類のヘビは意外と人間が生活している側にいるのかも知れない。その理由の為か実はオーストラリアで毒蛇にかまれて亡くなった人が一番多いのはこの種類のヘビだそうだ。
タイガースネーク(Tiger Snakes)。この毒蛇は一回のバイト(噛み付き)でたくさんの毒を獲物に与えることができると言われている。その為、大人の人間でも簡単に死に至らしめてしまうと紹介されている。このタイガースネークは3種類ほどいて、オーストラリアの東海岸に生息するものや、南部、西部と結局ほぼオーストラリア全土にいると言っても良い。主に水辺や湿地帯などの近くに生息している。エサはカエルや鳥、トカゲなどだそうだ。川や池に釣りに行く場合は草むらだけでなく流木の陰や岩場などに気をつけよう。特に夜間にのそのそと出てくるカエルを狙ってこのヘビも活発に活動をする様だ。
デスアダー(Death Adders)。このヘビは見るからに怖そうな顔つきをしている。中央の砂漠の様なブッシュにいるものから、オーストラリア沿岸の森の中や水辺に生息している。このデスアダーは見た目は怖いが向こうから襲ってくる事はない。他のヘビも同様のことだ。しかしその場所に適した保護色がとても上手なこのヘビは見つける事が難しい。山やブッシュの中を散策したりする時はこのヘビがいそうな草むらや腐った木が倒れれている陰、また落ち葉が重なった場所などを歩かない様にしよう。そういった所は彼等のエサになる生き物の通り道だ。また必ず長めの靴と靴下を履いておこう。
他にもオーストラリアに生息する毒蛇はまだまだいる。
この様にキャンプや釣り、ブッシュウォーキングや水辺を散歩する場合などは毒蛇に十分注意する必要がある。またネズミなどのエサを求めて都市部の住宅地にも毒蛇は出没する。特に物陰や庭に置いてある植木の陰などに無暗に手を突っ込んだりしない様にしよう。
また昨年ブリスベン市内の公園で夜間に毒蛇にかまれる事故が多発するニュースを聞いた。夜間に活発に活動を行うヘビはカエルやネズミなどを求めて公園などに出てくる事は十分考えられることだ。知人があるオージーに言われた事は庭にあるプールで夜に絶対に泳ぐなと言われたそうだ。夜に彼等が這い出してくる可能性は十分にある。町や家から離れた川や池だけでなく水辺というのは意外と近くにあるものだという認識を持とう。
キャラバンパークなど夜間にパーク内を歩いてシャワーやトイレに行く時なども懐中電灯などを持って足元を照らして気をつけよう。
■ 毒蛇にかまれた場合の処置
運が悪く毒蛇に噛まれてしまった場合は、慌てず噛まれた場所から少し離れた心臓に近い方を紐などで縛ろう。もし包帯や紐などがなければ来ているシャツをそのまま使おう。決して噛まれた場所をナイフで切って毒を出そうとしてはいけない。余計に傷口を増やす事は毒が広がりやすくなるとも言われている。また血が止まるまで強く締めすぎてもいけない。
現実にヘビに噛まれた場合そこまで慎重に行動できるかと言えば自分自身も自信がない。特にオーストラリアの毒蛇と聞くと余計にそう思ってしまう。しかし最初の処置と、救急車を素早く呼ぶ事が大事なことである。
病院に行けば血清がある為、手当てが早ければ亡くなる事はない。
つまり言い換えれば、救急車を呼べる手段を持ちえていること、そして、自分の場所がどこなのかそれを正しく伝えなくてはいけない。
必ず一人でブッシュに入らない。ブッシュの奥に入り込むオージー達は車に無線機を持っていたりするがブッシュに入らないまでも携帯電話など連絡手段は持っておく。
そして何よりヘビがいそうな雰囲気のある場所には入り込まない、手を入れたりしないことである。またハイキングや熱帯雨林散策などをしている際に万が一ヘビを踏みつけてしまった時の為に、長めの靴と長い靴下などを履いておく。
都市部や家の周りでも夜間にヘビがいそうな場所には立ち寄らないこと。また庭の芝生などなるべく小まめに短くしておくべきだ。草が伸び放題であればエサとなる生き物が住み着きヘビを寄せる事になる。
サメとワニと違って彼等にとって人間がエサになる事はない。人間が怖くて防御の為に攻撃をしてくるだけだ。彼等を見つけても驚かさない様に気をつけていれば済むだけなので、彼等のテリトリーがどこにあるのかを十分認識をしておけば、毒蛇に会う確率と噛まれる危険性は大いになくす事ができるとも言える。
■ 毒蛇の研究
毒蛇そのものの研究と言うよりも毒蛇が持っている毒を研究する事によって実は様々な人間が社会生活を営む上でいくつかの恩恵を受けている。もちろん彼等の毒から血清が作り出されるのは良く知られていることだが、例えばタイパンの毒からは、脳外科手術の際に必要な神経や腱などを手術で扱う時に使われる人工の細胞膜の開発が成されている。ブラウンスネークの毒からも医療で役立つ技術が生まれている。
2004.04.24 Mantaray |